課題2つ分

大学院課題6:不眠の原因となる5つの頭文字Pについて説明しなさい.

Photo by Egor Kamelev on Pexels.com

 痛み、かゆみ、咳などの身体的要因(physical)、寝室環境の変化、騒音光などによる環境変化である生理的要因(physiological)、薬物の副作用や離脱による睡眠妨害がおこる薬理学的要因(pharmacological)、心配事やストレスなどによる緊張の高まりで生じる心理的要因(psychological)、気分障害や不安障害などの精神疾患に合併する不眠(psychiatric)が挙げられる.

大学院課題7:セロトニン症候群とドパミン神経系の関係を述べよ。またセロトニン症候群の既往のある患者に、安全に使用できると思われる抗うつ薬は何か。

 セロトニン症候群症例の50%近くにドパミン神経系の関与と思われる症状が認められたと報告があり、D1受容体刺激が体温上昇を引き起こしている可能性が指摘された.動物モデルの実験で、仮説通りセロトニン症候群にはドパミン神経系の興奮が関与し、D1受容体拮抗薬が高体温抑制に至った.Sternbachはセロトニン症候群は5HT1A受容体刺激によるものと提唱しているが、5HT1A受容体刺激薬は体温を低下させる作用がある.一方、5HT2A受容体刺激薬が高体温を引き起こすのではないかという懸念から動物モデルの実験で、5HT2A受容体刺激を行うと体温上昇が有意に認められた.以上の薬理学特性から、D1受容体拮抗作用と5HT2A受容体拮抗作用をもつmirtazapineが有用になりうると考えられた.さらに動物モデルでの試験でmirtazapineがセロトニン症候群の高体温を抑制した結果から、セロトニン症候群の既往のある患者に使用できると思われる抗うつ薬はmirtazapineといえる.